現代人は糖質過多!?
パスタ

主食としてのごはん、さらにパン、うどん、そば、ラーメン、パスタなどは、糖質を主成分としています。 そして意外と知られていないのが、じゃがいもやさつまいもなどのいも類やごぼう、にんじんといった根菜類にも糖質は含まれています。


「ラーメン&チャーハンセット」、「カツ丼&そばセット」や女性に人気の「パンケーキ」などは、もちろん糖質のかたまりですが、健康的なイメージの野菜や果物を使ったジュースなどにも糖質が多く含まれています。
現代人は、知らないうちに糖質過多になりがちなのです。

三大栄養素(糖質・たんぱく質・脂質)のうち、胃や腸で消化され「ブドウ糖」になって血糖値を上昇させるのは糖質だけです。
膵臓から出るインスリンというホルモンの働きでブドウ糖は筋肉細胞や脳細胞などに取り込まれて、私たちが活動するエネルギーとなります。
一部は肝臓に取り込まれてグリコーゲンという形になって一時的に保存され、必要に応じてブドウ糖に戻って利用されますが、完全に余ってしまうと、 インスリンの働きで「ブドウ糖」が「中性脂肪」になって、体に蓄積され「高脂血症」や「肥満」の原因になります。

糖質過多が続くとインスリンの作用が効きにくくなってきます。
これを「インスリン抵抗性」と呼んでいますが、この状態が長く続くと「食後高血糖」「高インスリン血症」になって、さらに太りやすくなります。
この状態がさらに進んで、膵臓のインスリンが枯渇してしまうと「糖尿病」になってしまいます。
肥満がないからといって「食後高血糖」「高インスリン血症」「糖尿病」にならないとは限りません。
日本人は欧米人に比して「インスリン」が分泌しにくい遺伝子を持っています。
そのため欧米人のような太り方をする方はほとんどいないのですが、正常体型や痩せ型でも糖尿病になりやすい体質なのです。

■歯周病との関係とは?

「食後高血糖」や「高インスリン血症」になると、動脈の内皮細胞が傷つけられやすくなり、それを修復するためにコレステロールが肝臓でたくさん合成されて血液中に増えてきます。
「高コレステロール血症」や「動脈硬化」による「心筋梗塞や脳梗塞」の原因も「糖質過多」によるところが大きいので注意が必要です。
歯周病にもなりやすくなります。
歯周病菌が動脈の炎症の原因になるため、歯周病を放置していると動脈硬化をさらに進行させることになります。

■年を摂ると脂っこいお肉が美味しくない?

ステーキ

「脂質」は「ケトン体」になって「ブドウ糖」と同じように私たちの細胞のエネルギー源になりますが、「高インスリン血症」の状態では「ケトン体」の産生が抑制されてしまいます。
そのうちに、脂質がケトン体になりにくい体質になってしまうと「油っこいものが苦手」になり、例えば霜降り牛のステーキをおいしく感じることができなくなってきます。
テレビで元気な老人がステーキをおいしそうに食べている姿を見たことがあるかもしれませんが、年老いても脂質をエネルギー源にできる身体だから健康といえるのです。


■ガンと認知症の関係 

がん細胞のエネルギー源は「ブドウ糖」だけで、正常細胞のように「ケトン体」を利用することができません。
また「インスリン」は細胞を増殖する働きも持っています。
したがって、「高血糖」や「高インスリン血症」はガン細胞を育ててしまう危険性をはらんでいます。
「乳がん」「大腸がん」「子宮体がん」「肺がん」になる方が増えてきている背景に「糖質過多」があることにも注意が必要です。

「認知症」は脳細胞が「ブドウ糖」をエネルギー源として利用できなくなって発症している状態と考えられます。
ココナッツオイルで認知症の症状が改善するのは、「ケトン体」というエネルギー源を補っているからです。

また、「ケトン体」は体の中に起こっている「炎症」を鎮める作用があることもわかってきています。
つまりがんや動脈硬化などの病気を予防する効果も期待できるのです。
「糖質過多」で「ケトン体」の産生が少なくならないように注意が必要な理由はここにもあるわけです。

「余ったブドウ糖」が細胞とくっついて「糖化」が起こると細胞の機能低下を招き、老化を早める原因にもなります。

「糖質過多」は「たんぱく質や脂質の摂取不足」につながってしまうことがあります。
体を作り、ホルモンの原料になるものが不足すれば、カロリーが足りていても「栄養失調」となり、いずれ体調がすぐれなくなってきます。
主食を抜いて野菜を中心とした間違ったダイエットでも同じことが起こってきます。
エネルギー不足になれば脂肪だけでなく筋肉も落ちてしまい危険な状態になってしまいます。

「糖質」は摂取すると短時間に「ブドウ糖」になり、私たちの体のエネルギー源になってくれますが、過剰に摂取してしまうと様々な病気の原因になってしまいます。
どれだけの量が適切かどうかは、各人の体質やライフスタイルによって変わってきます。
実際、来院した患者さんを診ていると、毎食ごはん1杯でも「糖質過多」によるトラブルが発症していると思われる方が少なくありません。
血液検査ですべてが基準値内に入っていても安心はできないのです。

「糖質過多」の食生活を見直し、適度に「運動」を取り入れて、「糖質」と「脂質」が普段の生活の中で、ともにバランスよくエネルギー源として利用していく体質に変えていくことが、 健康を維持するうえで重要であると考えています。

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